MY MINORITY

不器用ですが暇つぶしになれば。ちょっと情緒不安定な東大生

メンヘラ.jpへの2度目の掲載 クィア理論とメンヘラについての補足

 ブログを書く気力がなく、2週間も更新ができていませんでした。が、その前に書いた記事がメンヘラ.jpの読者投稿に再び採用されたようです。自分の書いた文章が誰かの目に留まるというのは、やっぱりうれしいですね。せっかくなので、少しだけ記事の補足をしておきたいと思います。

 

 記事をご覧になっていないかたは、こちらのリンクから。(素敵な画像ですね)

menhera.jp

 

 東大ではありがたいことに、クィア理論の入門を学べる公開連続講座が毎年秋学期に開講されます。この講座は、一般の人も受けることができ、前提知識がなくても興味のある人全員に開かれています。私はこの講座を昨年度、今年度と引き続き受講していました。そこで学んだことを「メンヘラ」という領域で応用できないかという試みを記事にしました。記事にするにあたっては、間違いがないよう関連文献にも目を通しました。とはいえ、専攻しているわけではないので、詳しい方がみれば誤りがあるかもしれません。投稿した記事を変更することは出来ませんが、ご質問や間違いがあればぜひこのブログにコメントしていただければと思います。可能な範囲でお答えします。


 
 さて、記事では高らかにクィア理論をメンヘラに適用することで新たな可能性が開けてくると豪語していますが、実際には難しい側面もあるとは思います。本家のクィア理論自体が、当事者、特に日本のセクシャルマイノリティーの間に広く受容されているとは言えないからです。LGBTという言葉自体はブームといえるほど普及し、同性パートナシップを認める自治体も少しずつ増えてきました。が、LGBTの名の下に異なる属性を持つ個人やグループが十把一絡げにされているのではないかという懸念があります。例えば、LGBT向けの就活イベントがありますが、性的指向による差別の禁止や同性パートナーに対する慶弔金を謳う企業が、トランスジェンダーに対する施策には言及しないなどの事例があげられます。性的指向に関するLGBと性自認に関するTは、LGBTと一言に言っても求められるものは全く異なりますし、特に後者は外見や戸籍の問題が伴いますので、LGBTフレンドリーを掲げるのであれば、それぞれの属性に即したサポートが求められるでしょう。また、男性より女性の所得が低くなりやすい社会では、レズビアンのカップルがゲイカップルや異性愛者のカップルより低所得になりやすいという問題があります。LGBTの中でも、都市と地方の格差がありますし、精神障害を持っている方、在日外国人の方にとってはまた別の問題を抱えていると思います。
 
 かといって、属性に基づいて別々に活動することが望ましいと言い切ることにはためらいがあります。属性による区分は、グループを無限に細分化することになりかねません。単純に考えても、1000人で主張していたことが、100人しか主張しなくなれば、それだけ説得するためのパワーも損ねられるのではないでしょうか。また、お互いのグループ同士が反目することも考えられます。あくまで仮定ですが、高所得のLGBTのみが恩恵にあずかれる代わりに、低所得の人が犠牲になるといった切り捨てが発生しかねないように思います。

 

 このように考えた結果、結局、属性が異なることを忘れないようにしつつ、属性を越えて連帯することが有効なのではないかと思うに至りました。この実現は大変難しいものの、クィア理論の目指す方向性であり、「メンヘラ」にも適用できると考える所以です。

 

 「メンヘラ」という言葉は多義的で、いろんな人々を大雑把にくくる言葉です。だからこそ、属性を越えた連帯の可能性を見出しています。私はメンヘラ.jpというサイトを知ったとき、なんて革新的なんだと思いました。うつ病ならうつ病摂食障害なら摂食障害といった個別の病名に基づくサイトやグループは存在するものの、精神に課題を抱える人という共通点でくくる試みは見たことがなかったからです。詳細は記事中で述べたので、そちらに譲りますが、インターネット上とはいえ、これまで接触することのなかった人々が「メンヘラ」という言葉のもとに、つながったことが意義深いことではないでしょうか。もちろん、メンヘラ.jpの全ての投稿、運営方針に共感しているわけではありませんし、サイトの創始者であるわかり手さんのツイートには賛同しかねる部分もあります。けれども、方向性としては画期的なもので、今回の記事でクィア理論という側面からメンヘラ.jpの意義は確認できたと思います。
 
 補足は以上になります。更新頻度が落ちていましたが、記事のネタはたくさんあるので、引き続きブログの更新を続けていきたいと思います。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。